相続・遺言の基本|何も準備しないと家族が困る理由をFPが解説

税金

相続の準備、何もしていない方へ

「うちは財産が少ないから相続は関係ない」

「遺言書は富裕層が書くもの」

「相続のことは、そのときになって考えればいい」

そう思っている方は少なくありません。

しかし相続トラブルは財産の多い少ないに関わらず起こります。一般的には遺産総額5,000万円以下の家庭でも多くのトラブルが発生しているとされています。

FP2級×宅建士の運営者として、相続・遺言の基本と確認ポイントを整理します。

この記事は一般的な情報をもとに作成しています。相続・税制は変更される場合があります。個別の判断は税理士・弁護士・FP等の専門家にご確認ください。


この記事で確認できること

  • 相続トラブルが起きやすい状況とその原因
  • 法定相続人と法定相続分の基本
  • 相続税の基礎控除と対象財産の考え方
  • 遺言書の種類と作り方の確認ポイント
  • 相続手続きの期限と注意事項

相続トラブルが起きやすい状況

相続トラブルは「財産が多い家庭」だけの問題ではありません。

【相続トラブルが起きやすい主な状況】

状況理由
遺言書がない相続人全員で遺産分割協議が必要になる
不動産がある現金と違って分けにくい
再婚・連れ子がいる法定相続人の範囲が複雑になる
介護した人とそうでない人がいる貢献度への不満が生じやすい
疎遠な相続人がいる連絡が取れない・協議が進まない

財産が少ないからこそ、わずかな金額をめぐってトラブルになるケースがあります。準備があるかどうかで、家族への負担が大きく変わります。


法定相続人と法定相続分の基本

相続の基本として、**誰が相続人になるか(法定相続人)どのくらい受け取れるか(法定相続分)**を把握しておくことが出発点です。

【法定相続人の範囲と優先順位】

順位相続人備考
常に相続人配偶者必ず相続人になる
第1順位子ども(直系卑属)子がいれば孫は相続しない
第2順位父母(直系尊属)子がいない場合
第3順位兄弟姉妹子・父母がいない場合

【法定相続分の割合(目安)】

相続人の構成配偶者その他
配偶者+子ども1/21/2を人数で均等に
配偶者+父母2/31/3を人数で均等に
配偶者+兄弟姉妹3/41/4を人数で均等に

法定相続分はあくまで民法上の目安です。遺言書がある場合や相続人全員の合意がある場合は、異なる割合で分けることができます。


相続税の基礎控除と対象財産

相続税がかかるかどうかを確認する

相続税には基礎控除があるため、すべての相続に税金がかかるわけではありません。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

【基礎控除額の目安】

法定相続人の数基礎控除額の目安
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

遺産総額が基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません。

相続財産に含まれる主なもの

含まれるもの注意点
預貯金名義に関わらず実質的な管理者で判断される場合がある
不動産路線価・固定資産税評価額をもとに計算
有価証券・投資信託時価で評価
生命保険金非課税枠あり(500万円×法定相続人の数)
退職金非課税枠あり(500万円×法定相続人の数)

生命保険金・退職金には非課税枠があります。法定相続人が3人の場合、それぞれ1,500万円まで非課税になります。

👉 生命保険の見直し方|払いすぎを防ぐための確認ポイント


\ 相続・遺言の準備を相談したい方へ /

相続財産の整理・遺言書の作成方法など、FP無料相談で一度確認してみるのも一つの方法です。

▶ FP無料相談はこちら FP無料相談 | FPに相談


遺言書の種類と作り方

遺言書の主な種類

種類特徴メリット注意点
自筆証書遺言自分で手書き費用がかからない形式不備で無効になることがある
公正証書遺言公証人が作成確実・無効になりにくい費用がかかる(数万〜十数万円程度)
秘密証書遺言内容を秘密にできるプライバシーが守れる利用頻度が低い

一般的には公正証書遺言が確実性の面で推奨されることが多いです。自筆証書遺言は形式不備で無効になる場合がありますのでご注意ください。

自筆証書遺言を作る場合の必須条件

以下の4つを満たしていないと無効になる場合があります。

  • 全文を自筆で書く(パソコン不可・財産目録のみ例外)
  • 日付を記入する
  • 氏名を自筆で署名する
  • 押印する

2020年から法務局における遺言書の保管制度が始まりました。詳細は法務局にご確認ください。


相続手続きの期限

相続が発生したとき、期限のある手続きがあります。見落とすと取り返しのつかない事態になることがあります。

【相続手続きの主な期限】

手続き期限注意点
相続放棄・限定承認相続開始を知った日から3か月過ぎると単純承認になる
準確定申告死亡後4か月以内亡くなった方の確定申告
相続税の申告・納付相続開始を知った日から10か月延納・物納制度あり
相続登記相続を知った日から3年以内2024年4月から義務化
遺留分侵害請求遺留分侵害を知った日から1年期限を過ぎると権利消滅

相続放棄の3か月は特に短いため注意が必要です。亡くなった方に多額の借金がある場合、3か月以内に手続きをしないと借金まで引き継ぐことになります。

相続登記は2024年4月から義務化されました。怠ると10万円以下の過料が課される場合があります。

👉 不動産一括査定の使い方|宅建士が確認ポイントと注意点を解説


遺留分とは

遺言書があっても、法定相続人には遺留分という最低限の相続権が保障されています。

【遺留分の割合の目安】

相続人遺留分の割合
配偶者法定相続分の1/2
子ども法定相続分の1/2
父母法定相続分の1/3
兄弟姉妹なし

遺言書で「全財産を特定の人に」と書いても、他の相続人から遺留分を請求される可能性があります。遺言書作成時は遺留分を考慮した内容にすることが重要です。


生前贈与と相続の関係

相続対策として生前贈与を活用する方法があります。ただし2024年以降のルール変更に注意が必要です。

  • 相続開始前7年以内の暦年贈与は相続財産に加算される場合がある
  • 相続時精算課税制度は2024年から年110万円の基礎控除が追加された
  • 教育資金・住宅取得資金などの非課税特例も選択肢のひとつ

👉  生前贈与を考えている方へ|贈与税の基本と注意点をFPが解説


注意点

  • 相続税・相続手続きの条件・期限は変更される場合があります。最新情報は国税庁・法務局等でご確認ください
  • 遺言書の形式・有効性については専門家(弁護士・司法書士・公証人)にご確認ください
  • 相続放棄は一度行うと原則取り消せません。慎重に判断してください
  • 本記事は一般的な参考情報です。個別の相続・遺言の判断は税理士・弁護士等の専門家にご相談ください

よくある質問

Q1. 財産が少なくても遺言書は必要ですか? 財産の多少に関わらず、遺言書があることで相続人の負担を減らせる場合があります。特に不動産がある・再婚している・子どもが複数いるなどの状況では準備を検討することをおすすめします。

Q2. 相続税がかかるかどうか、どうやって確認しますか? まず法定相続人の数を確認し、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を計算します。遺産総額が基礎控除額以下であれば、一般的には相続税はかかりません。詳細は税理士にご確認ください。

Q3. 相続放棄をするとどうなりますか? プラスの財産もマイナスの財産(借金等)も含めて一切相続しないことになります。期限は相続開始を知った日から3か月です。一度放棄すると原則取り消せませんので慎重に判断してください。

Q4. 遺言書がない場合、財産はどうなりますか? 法定相続人全員で遺産分割協議を行い、財産の分け方を決める必要があります。相続人が多い・疎遠な相続人がいる場合、協議が長引くことがあります。

Q5. 相続登記とは何ですか? 不動産を相続した場合に名義を変更する手続きです。2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内に申請が必要です。詳細は法務局にご確認ください。


まとめ

  • 相続トラブルは財産の多少に関わらず起こる可能性がある
  • まず法定相続人の範囲と法定相続分を把握することが出発点
  • 相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 遺言書は自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類がある
  • 相続放棄は3か月・相続税申告は10か月・相続登記は3年以内の期限がある
  • 遺言書があっても遺留分の請求を受ける可能性があるため考慮が必要
  • 生前贈与と組み合わせた相続対策は2024年以降のルール変更に注意

参考情報・専門機関への確認のご案内

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、特定の金融商品・サービスを推奨するものではありません。個別の判断は税理士・弁護士・FP等の専門家にご相談ください。


相続・遺言の準備、FP無料相談で何から始めればよいか整理してみるのも一つの方法です。

▶ FP無料相談はこちら FP無料相談 | FPに相談

参考情報
参考情報:
本記事は、金融・保険・税金・不動産・資産運用・家計管理に関する一般的な情報として、金融庁、国税庁、厚生労働省、消費者庁、国土交通省、各自治体・公的機関、各金融機関・公式サイトの情報を参考に作成しています。
制度改正、税制改正、商品内容、金利、手数料、条件などは変更される場合があります。最終的な判断は、必ず公式情報を確認し、必要に応じて税理士、弁護士、ファイナンシャルプランナー、金融機関、不動産会社などの専門家へご相談ください。
税金
totoreokunをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました