住民税はいつから給与天引きされるのか、新社会人・転職後のケース別に開始時期を解説。年収別の金額目安の早見表と計算例つき。2年目の6月に手取りが減る理由もFP2級の運営者がわかりやすく説明します。
最終更新日:2026年7月11日
「今月から急に手取りが減った…」
給与明細を見て、住民税の欄に初めて金額が入っていて驚いた経験はありませんか。
住民税は所得税と違い、働き始めてすぐには引かれません。引かれ始めるタイミングには決まった流れがあり、それを知らないと「2年目の6月」に手取りが減って家計の予定が狂ってしまうことがあります。
この記事では、FP2級の運営者が、住民税が給与から引かれ始める時期と金額の目安を、新社会人・転職者のケース別に解説します。
この記事で確認できること
- 住民税が給与天引きされ始める時期(新社会人・転職後)
- なぜ1年目は住民税が引かれないのか
- 年収別の住民税の目安(早見表)
- 2年目の6月に手取りが減る理由と対策
- 退職・転職時の住民税の取り扱い
住民税は「前年の所得」に対してかかる税金
住民税の仕組みで最も大切なのは、前年(1月〜12月)の所得に対して、翌年に納めるという点です。
所得税はその月の給与から概算で天引き(源泉徴収)されますが、住民税は前年の所得が確定してから金額が決まります。そのため、納めるタイミングが約1年遅れてやってくるイメージです。
- 2025年の所得 → 2026年6月から2027年5月にかけて納付
- 会社員の場合は、この期間の給与から12回に分けて天引き(特別徴収)されるのが一般的です
新社会人はいつから引かれる?【2年目の6月から】
新社会人の場合、入社1年目は原則として住民税が給与から引かれません。前年(学生時代)の所得が少ないか、なかったためです。
| 時期 | 住民税の状況 |
|---|---|
| 入社1年目(4月〜翌5月) | 原則、天引きなし(前年所得が少ないため) |
| 入社2年目の6月 | 天引き開始(1年目の所得に対する住民税) |
| 入社3年目の6月 | 金額が改定(2年目のフル年収に対する住民税に増える) |
ここで注意したいのが、2年目の6月と3年目の6月の2回、手取りが段階的に減るという点です。
1年目の所得は4月入社なら約9か月分ですが、2年目は12か月分の年収になるため、3年目の6月からの住民税はさらに増えるのが一般的です。
年収別・住民税の目安【早見表】
住民税の金額は「均等割(定額)+所得割(所得の約10%)」で決まります。以下は独身・会社員の場合の目安です(2026年度時点・社会保険料などの条件により変動します)。
| 年収(前年) | 住民税の目安(年額) | 月々の天引き額の目安 |
|---|---|---|
| 250万円 | 約9万円 | 約7,500円 |
| 300万円 | 約12万円 | 約10,000円 |
| 400万円 | 約18万円 | 約15,000円 |
| 500万円 | 約24万円 | 約20,000円 |
| 600万円 | 約31万円 | 約26,000円 |
※扶養家族の有無、各種の所得控除によって変わります。あくまで目安としてご覧ください。
計算例:年収300万円の新社会人(2年目)の場合
前年の年収が300万円だった場合の、ざっくりとした計算の流れです(2026年度時点の目安)。
- 給与収入300万円 − 給与所得控除98万円 = 給与所得202万円
- 202万円 − 社会保険料控除(約45万円) − 基礎控除43万円 = 課税所得 約114万円
- 所得割:114万円 × 10% = 約11.4万円
- 均等割など:約5,000円〜6,000円
- 年間合計:約12万円 → 月々約1万円が6月から天引き
つまり、2年目の6月からは「1年目と同じ給与でも、手取りが月1万円前後減る」ことになります。
📌 あわせて読みたい:給与明細の見方|手取りが決まる仕組みをFPが解説
手取りが減る2年目以降に備えるなら、収入を増やすより先に固定費の見直しが取り組みやすい方法です。通信費や保険料など、毎月の支出を一度整理しておくと、住民税分の負担を吸収しやすくなります。
📌 あわせて読みたい:固定費の見直し方|FPが確認した削減の順番を解説
転職・退職した場合の住民税はどうなる?
転職や退職をすると、住民税の納め方が一時的に変わることがあります。
| 退職時期 | 残りの住民税の扱い(一般的なケース) |
|---|---|
| 6月〜12月に退職 | 最後の給与から1か月分天引き+残りは自分で納付(普通徴収)または一括徴収を選択 |
| 1月〜5月に退職 | 原則、残額を最後の給与などから一括徴収 |
- 退職後に自分で納める場合は、自治体から納付書が届き、年4回(6月・8月・10月・翌1月が一般的)に分けて納付します
- 転職先で再び給与天引きに戻すには、切り替えの手続きが必要です(転職先の給与担当に相談すると進めてもらえるのが一般的です)
📌 あわせて読みたい:失業手当は退職後いつから・いくらもらえる?自己都合と会社都合の違いをFPが解説
FP視点の実務上の注意点:「前年ベース」が家計を圧迫する場面
FP2級の運営者として特にお伝えしたいのが、住民税は「今の収入」ではなく「前年の収入」で決まるという点です。
たとえば、転職で年収が500万円から400万円に下がった場合でも、翌年6月からの住民税は「500万円時代」の所得を基準に計算されます。収入が下がったのに税負担は前年並み、という時期が約1年続くわけです。
- 転職・退職で収入が下がる予定がある方は、住民税の年額分(目安として前年年収の5〜6%程度)をあらかじめ確保しておくと安心です
- 退職して収入がなくなった年も、前年分の住民税の納付書は届きます。「無収入なのに税金の請求が来た」と慌てないよう、退職前に金額を確認しておくことをおすすめします
注意点
- この記事の金額は2026年度時点の目安です。税制は変わる可能性があります
- 住民税は自治体によって均等割などに若干の差があります
- 扶養状況や各種控除によって実際の金額は変わります
- 正確な金額は、お住まいの自治体から届く住民税決定通知書や、自治体の窓口でご確認ください
よくある質問
Q1. 入社1年目なのに住民税が引かれています。なぜですか?
前年にアルバイトなどで一定以上の所得があった場合、1年目でも住民税がかかることがあります。学生時代の収入が多かった方は該当する可能性があります。
Q2. 6月から住民税の金額が変わったのはなぜですか?
住民税は毎年6月に、その年度の金額へ切り替わります。前年の所得が増えていれば6月から天引き額も増えるのが一般的です。給与明細の住民税欄は毎年6月に確認する習慣をつけると安心です。
Q3. 住民税が引かれていない働き方もありますか?
前年の所得が一定額以下の場合、住民税がかからないことがあります。基準は自治体によって異なるため、お住まいの自治体でご確認ください。
Q4. 退職後に届いた住民税の納付書は払わないとどうなりますか?
納付が遅れると延滞金がかかる場合があります。一括での納付が難しいときは、自治体に相談すると分割などの対応をしてもらえるケースがあります。放置せず早めに相談することをおすすめします。
Q5. 住民税を安くする方法はありますか?
各種の所得控除を活用すると翌年の住民税が下がる場合があります。ただし節税だけを目的にせず、家計全体のバランスの中で判断するのが基本です。
まとめ
- 住民税は前年の所得に対して、翌年6月から翌々年5月にかけて納める
- 新社会人は原則、2年目の6月から天引きが始まる(3年目6月にさらに増えるのが一般的)
- 年収300万円なら月約1万円が目安(2026年度時点・条件により変動)
- 転職・退職しても住民税は前年ベース。収入減の予定がある方は年額分の備えを
住民税の負担は避けられませんが、「いつから・いくら引かれるか」を事前に知っておけば、手取りが減っても家計の予定は立てられます。まずは給与明細と住民税決定通知書の確認から始めてみてください。
手取りの仕組みを理解したら、次は支出の整理です。家計の収支を一度見える化しておくと、住民税や社会保険料が増えた年も落ち着いて対応できます。
📌 あわせて読みたい:家計管理は何から始める?FPが収支の整理方法を解説
参考情報・専門機関への確認案内
- 正確な住民税額:お住まいの市区町村の税務担当窓口・住民税決定通知書
- 退職時の手続き:勤務先の給与担当
- 税制の詳細:総務省・国税庁の公式情報
制度の内容は2026年度時点のものです。最終的な判断の際は、自治体や税理士など専門家・公的機関にご確認ください。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談に代わるものではありません。実際の金額や手続きは、条件によって異なります。


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