最終更新日:2026年6月23日
この記事は2026年度時点の一般的な情報をまとめたものです。制度や期限は法改正などで変わる可能性があります。個別の手続きや相続税の判断は、市区町村・年金事務所・税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご確認ください。
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はじめに
親が亡くなったとき、悲しみの中で「何から手をつければいいのか分からない」と立ち尽くしてしまう方は少なくありません。
しかも相続の手続きには「いつまでに」という期限があるものが多く、知らずに過ぎてしまうと、選べたはずの選択肢を失ったり、余計な負担が発生したりすることもあります。
この記事では、FP2級×宅建士の運営者が、葬儀後にやるべきことと期限を、時系列の早見表で整理しました。「まず何をすればいいか」を一通りつかめるようにまとめています。
この記事で確認できること
- 葬儀後にやるべき手続きと期限の早見表
- 「結局、急ぐのはどれ?」の優先順位
- 相続税がかかるかどうかの目安(計算例つき)
- 見落としやすい実務上の注意点
- よくある疑問への回答
結論:急ぐ手続きから時系列で動く
先に結論をお伝えすると、最初の2週間で役所関係を片づけ、3か月・4か月・10か月の3つの期限を意識して動くのが基本の流れです。
特に重要なのが次の3つです。
- 3か月以内:相続放棄・限定承認の判断
- 4か月以内:準確定申告
- 10か月以内:相続税の申告・納付
まずは全体像を早見表で確認してみてください。
葬儀後の手続き・期限の早見表(目安)
| 期限の目安 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届・火葬許可申請 | 市区町村へ提出。葬儀社が代行することも多い |
| 10〜14日以内 | 年金の受給停止 | 厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内が目安 |
| 14日以内 | 世帯主変更届・健康保険等の資格喪失 | 国民健康保険・介護保険の手続きなど |
| 速やかに | 公共料金・銀行・各種名義変更 | 口座は凍結されるため後述の注意あり |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 借金を引き継がない選択。期限を過ぎると原則単純承認 |
| 4か月以内 | 準確定申告 | 亡くなった人に確定申告が必要だった場合 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付 | 課税対象になる場合のみ |
| 1年以内 | 遺留分侵害額請求 | 最低限の取り分を求める権利(知った時から) |
| 3年以内 | 生命保険金の請求 | 請求の時効が一般に3年とされる |
| 3年以内 | 相続登記の申請 | 2024年4月から義務化(後述) |
※期限は2026年度時点の一般的な目安です。起算日(いつから数えるか)は手続きによって異なります。詳しくは市区町村や専門家にご確認ください。
「結局、相続税はかかるの?」基礎控除の計算例
多くの方が気になるのが「うちは相続税を払うのか」という点です。
相続税には基礎控除があり、遺産の総額がこの金額以下なら、原則として相続税の申告も納税も不要とされています。
基礎控除額(2026年度時点)
= 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
計算例:相続人が3人の場合
たとえば、亡くなった方の配偶者と子ども2人が相続人(法定相続人3人)のケースでは——
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
つまり、遺産の総額が4,800万円以下なら、相続税は原則かからない計算になります。
持ち家や預貯金を合わせても基礎控除以内に収まる家庭は多く、「相続=必ず相続税」ではない、というのは知っておきたいポイントです。逆に超えそうな場合は、10か月という期限が一気に重要になります。
※遺産の評価額の出し方や特例(配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例など)によって結果は変わります。正確な判断は税理士にご確認ください。
相続が発生してから慌てないために、元気なうちに「保険の受取人」や「保障の中身」を整理しておくと、残された家族の手続きがぐっと楽になります。
生命保険は、受取人が決まっていれば原則すぐに請求でき、納税資金や当面の生活費の備えにもなります。今の保険が今の家族構成に合っているか、一度見直してみるのも一つの方法です。保険の一括比較やFPへの無料相談も活用できます。
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📌 あわせて読みたい:生命保険の見直し方|払いすぎを防ぐための確認ポイント
見落としやすい実務上の注意点
注意点1:口座は「凍結」される。仮払い制度を知っておく
金融機関が名義人の死亡を把握すると、その口座は凍結され、原則として引き出せなくなります。葬儀費用や当面の生活費に困るケースがあります。
このとき知っておきたいのが預貯金の仮払い制度です。一定の上限(1金融機関あたり150万円が上限の目安)まで、ほかの相続人の同意がなくても引き出せる仕組みが設けられています。金額の計算には条件があるため、銀行で確認してみてください。
注意点2:相続登記は2024年4月から義務化【宅建士視点】
不動産(土地・建物)を相続したのに名義変更(相続登記)をしないまま放置するケースが、これまで多くありました。
2024年4月から相続登記が義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記の申請をしないと、正当な理由がない場合に10万円以下の過料の対象になり得るとされています。
「実家を相続したけど登記はそのまま」という状態は、2026年度時点ではリスクになり得ます。早めに司法書士へ相談するのが安心です。これは大手の制度解説では流されがちですが、現場で最もトラブルになりやすい部分です。
よくある質問
Q1. 何から手をつければいいですか?
まずは7日以内の死亡届、次に2週間以内の役所・年金関係です。そのうえで3か月・4か月・10か月の期限を意識して進めるのが基本です。
Q2. 相続放棄はいつまでにできますか?
一般的に「自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内」とされています。借金が多い場合などに検討する手続きで、期限を過ぎると原則そのまま引き継ぐ扱いになります。
Q3. 相続税の申告期限を過ぎるとどうなりますか?
10か月の期限を過ぎると、加算税や延滞税がかかる場合があります。課税対象になりそうなときは早めに税理士へ相談するのが安心です。
Q4. 遺言書が見つかったらどうすればいいですか?
自宅で見つかった自筆の遺言書は、開封前に家庭裁判所での「検認」が必要な場合があります。勝手に開封しないよう注意が必要です。
Q5. 手続きは自分だけでできますか?
役所関係はご自身でも進められますが、不動産の登記や相続税の申告は専門的な判断を伴います。司法書士・税理士などの専門家に依頼する選択肢もあります。
まとめ
- 葬儀後は、2週間で役所関係を片づけ、3か月・4か月・10か月の期限を意識して動くのが基本です。
- 相続税は基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)以下なら原則かかりません(2026年度時点)。
- 口座凍結への備えとして仮払い制度、不動産があれば相続登記の義務化に注意が必要です。
- 公的な手続きを押さえたうえで、生命保険など民間の備えを整理しておくと、家族の負担を減らせます。
相続は「事前の準備」で家族の手間とお金の負担が大きく変わります。受取人や保障内容の整理も含め、今の保険が家族構成に合っているか、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。保険の一括比較やFPへの無料相談を活用すると、過不足を整理しやすくなります。
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📌 あわせて読みたい:相続・遺言の基本|何も準備しないと家族が困る理由をFPが解説
執筆・確認:お金で損しない教科書 編集部(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
最終確認:2026年7月21日
参照:日本年金機構「身近な方が亡くなったとき」、法務省「相続登記の申請義務化について」
参考情報・専門機関への確認案内
相続の手続きや税制は2026年度時点の内容であり、改正される可能性があります。最新かつ正確な情報は、次のような窓口・専門家にご確認ください。
- 市区町村の窓口(死亡届・各種資格喪失の手続き)
- 日本年金機構・年金事務所(年金の手続き)
- 税理士(相続税の申告・評価)
- 司法書士(相続登記)・弁護士(遺産分割・遺留分などの争い)
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の手続き方法や保険・金融商品の加入を推奨するものではありません。制度の内容・期限・数値は2026年度時点の目安であり、変更される可能性があります。実際の手続き・判断にあたっては、公的機関・専門家にご確認ください。本記事の内容により生じたいかなる損害についても、運営者は責任を負いかねます。


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