最終更新日:2026年6月24日
この記事は2026年度時点の一般的な情報をまとめたものです。税制は法改正などで変わる可能性があり、控除額や還付額は個別の状況によって異なります。実際の申告・判断は、税務署・税理士などにご確認ください。
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はじめに
「1年でけっこう医療費がかかったけど、これって何か戻ってくるの?」——通院や入院が続いた年に、そう感じたことはありませんか。
そんなときに使えるのが医療費控除です。ただ、「10万円を超えたら使える」とは聞くものの、「結局いくら戻るのか」が分かりにくい、という声をよく聞きます。
この記事では、FP2級の運営者が「医療費控除でいくら戻るのか」を、年収別の早見表と計算例で具体的に整理しました。
この記事で確認できること
- 医療費控除で「結局いくら戻る」のか(早見表つき)
- 控除額と還付額の計算のしかた
- 対象になる費用・ならない費用
- 見落としやすい実務上の注意点
- よくある疑問への回答
結論:戻るのは「控除額 × 所得税率」
先に結論をお伝えします。医療費控除で戻ってくる(還付される)所得税は、ざっくり次の式で決まります。
戻る所得税(目安)= 医療費控除額 × その人の所得税率
ポイントは、「使った医療費がそのまま戻る」のではなく、「医療費の一部が税率分だけ戻る」という点です。ここを誤解している方がとても多いです。
医療費控除額の計算
まず、控除額そのものを計算します。
医療費控除額 =(1年間に支払った医療費 − 保険金などで補てんされた額)− 10万円
※その年の所得が200万円未満の場合は「10万円」ではなく「所得の5%」
たとえば、年間の医療費が25万円、保険金などの補てんがなかった場合——
25万円 − 10万円 = 15万円(これが控除額)
この15万円に所得税率をかけた分が、戻ってくる目安になります。
「結局いくら戻る?」年収別の早見表
控除額が同じでも、所得税率は年収によって変わります。そのため、戻る金額も人によって違ってきます。
下の表は、**控除額15万円(医療費25万円・補てんなしのケース)**で、戻る所得税のおおよその目安です。
| 年収の目安 | 所得税率の目安 | 戻る所得税(目安) |
|---|---|---|
| 約300万円 | 5% | 約7,500円 |
| 約400万円 | 10% | 約15,000円 |
| 約600万円 | 20% | 約30,000円 |
| 約800万円 | 23% | 約34,500円 |
※税率は課税所得に応じた目安です。実際は家族構成や他の控除によって変わります。住民税の軽減(控除額の概ね10%)も別途見込める場合があります。
同じ「医療費25万円」でも、年収が高い(税率が高い)ほど戻る金額が大きくなる、という関係になります。
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対象になる費用・ならない費用
「何が医療費控除に入るのか」も迷いやすいところです。
一般的に対象になるとされるもの:
- 病院・歯科の診療費、treatment費、入院費
- 処方薬・市販薬の購入費(治療目的のもの)
- 通院の交通費(公共交通機関が基本)
- 一定の条件を満たす介護サービス費
一般的に対象外とされるもの:
- 健康診断・人間ドックの費用(病気が見つかり治療した場合は対象になることも)
- 予防接種
- 自分の都合による差額ベッド代
- 美容目的の施術
- マイカー通院のガソリン代・駐車場代
「治療のため」か「予防・美容のため」かが、大きな分かれ目になります。
医療費控除は「かかった医療費の一部が税率分だけ戻る」制度です。つまり、医療費の自己負担そのものをゼロにしてくれるわけではありません。
だからこそ、入院や手術で大きな出費が出たときに備えて、民間の医療保険でどこまで補うかを考えておくと安心です。公的な制度で戻る分と、民間で備える分を整理すると、保険のかけすぎ・かけ不足を防ぎやすくなります。保険の一括比較やFPへの無料相談も活用できます。
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📌 あわせて読みたい:医療保険は必要?FPが必要性を考えるポイントを解説
見落としやすい実務上の注意点
注意点1:家族の分は「まとめて」申告すると得【FP視点】
医療費控除は、生計を同じくする家族の医療費を合算して申告できます。
このとき、いちばん所得税率が高い人(多くは収入が最も多い人)が家族全員分をまとめて申告すると、戻る金額が大きくなる傾向があります。同じ医療費でも、申告する人を変えるだけで還付額が変わる、というのは見落とされがちなポイントです。
注意点2:市販薬中心なら「セルフメディケーション税制」も比較を
ドラッグストアで対象の市販薬(スイッチOTC医薬品)を多く買った年は、セルフメディケーション税制という別の控除のほうが有利な場合があります。
この制度は、対象medicineの年間購入額が1万2,000円を超えた分(上限8万8,000円)が控除対象になる仕組みです。ただし、通常の医療費控除との併用はできず、どちらか一方を選ぶ必要があります。「病院通いが多い年」と「市販薬中心の年」で、有利なほうが変わる点に注意してください。
※どちらを選ぶか、対象になるかの最終判断は税務署・税理士にご確認ください。
よくある質問
Q1. 医療費が10万円を超えないと使えませんか?
所得が200万円未満の場合は「所得の5%」が基準になるため、10万円以下でも対象になることがあります。
Q2. 戻ってくるのは支払った医療費の全額ですか?
いいえ。戻るのは「控除額 × 所得税率」の目安で、医療費そのものが返ってくるわけではありません。
Q3. 共働きですが、どちらで申告すべきですか?
一般的には所得税率が高い側でまとめると有利になりやすいとされています。ただし状況によるため、確認のうえ判断してください。
Q4. 確定申告をしないと受けられませんか?
医療費控除は年末調整では処理されないため、原則として確定申告が必要です。
Q5. 通院の交通費も対象ですか?
公共交通機関での通院交通費は対象になるのが一般的です。マイカーのガソリン代や駐車場代は対象外とされています。
まとめ
- 医療費控除で戻るのは「控除額 × 所得税率」で、医療費の全額ではありません。
- 控除額は「医療費 − 補てん額 − 10万円(所得200万円未満は所得の5%)」で計算します。
- 同じ医療費でも、年収(税率)が高いほど戻る金額は大きくなります。
- 家族分はまとめる、市販薬中心ならセルフメディケーション税制と比較する、がポイントです。
- 公的な控除で戻る分を踏まえ、民間の医療保険でどこまで備えるか整理しておくと安心です。
医療費の備えは、戻る税金だけでなく「いざというときの自己負担」もセットで考えるのがポイントです。今の保険が自分や家族の状況に合っているか、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。保険の一括比較やFPへの無料相談を活用すると、過不足を整理しやすくなります。
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📌 あわせて読みたい:生命保険の見直し方|払いすぎを防ぐための確認ポイント
執筆・確認:お金で損しない教科書 編集部(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
最終確認:2026年7月21日
参照:国税庁「医療費を支払ったとき」、国税庁「医療費控除の計算」
参考情報・専門機関への確認案内
医療費控除やセルフメディケーション税制の内容は2026年度時点のもので、税制改正により変わる可能性があります。最新かつ正確な情報は、次の窓口にご確認ください。
- お住まいを管轄する税務署
- 国税庁の確定申告関連ページ
- 税理士
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の税制利用や保険・金融商品の加入を推奨するものではありません。制度の内容・数値は2026年度時点の目安であり、変更される可能性があります。実際の申告・判断にあたっては、税務署・税理士などの専門家にご確認ください。本記事の内容により生じたいかなる損害についても、運営者は責任を負いかねます。


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