賞与(ボーナス)から引かれる税金・社会保険料はいくら?手取り額の計算例つき

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この記事の結論

賞与から引かれるのは社会保険料等(健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険)と所得税で、住民税は引かれません。社会保険料は標準賞与額(1,000円未満切り捨て)、所得税は前月の給与額と扶養親族の数をもとに計算されます。賞与50万円・前月給与30万円・扶養親族等0人・40歳未満のケースでは、社会保険料等が約7.3万円、所得税が約2.6万円で、手取りの目安は約40万円です。

最終更新日:2026年7月17日

「賞与の明細を見たら、思っていたより引かれていた…」
賞与は月給と計算方法が違うため、初めて受け取る人ほど驚きやすい項目です。

これまでの記事で、住民税は原則として入社2年目の6月から、社会保険料は資格取得月から発生することを解説してきました。社会保険料を実際に給与から控除する月は、勤務先が当月控除・翌月控除のどちらを採用しているかによって異なります。賞与にも社会保険料と所得税がかかりますが、その計算のしくみは月給とは少し異なります。

この記事では、FP2級の運営者が、賞与から引かれる社会保険料・所得税の仕組みと、手取り額の目安を解説します。

この記事で確認できること

  • 賞与から引かれるお金の内訳(社会保険料・所得税)
  • 月給との計算方法の違い
  • 支給額別の手取り額の目安(早見表)
  • 賞与の所得税が月によって変わる理由
  • 賞与にかかるお金を踏まえた実務上の注意点

賞与から引かれるのは「社会保険料」と「所得税」

賞与(ボーナス)から引かれる主な項目は、月給と同じく社会保険料等(健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険)と所得税です。40〜64歳の方は介護保険料も加わります。住民税は賞与からは引かれません。住民税は年間の税額を12回に分けて月給から天引きする仕組みのため、賞与は対象外になっています。

  • 社会保険料:賞与の支給額(1,000円未満切り捨て)をもとに計算
  • 所得税:前月の給与額と扶養親族の数をもとにした税率表を使って計算
  • 住民税:賞与からは引かれない(月給からのみ天引き)

📌 あわせて読みたい:住民税はいつから引かれる?新社会人・転職後の天引き開始時期と金額の目安をFPが解説

社会保険料の計算方法(月給との違い)

月給の社会保険料は「標準報酬月額」という一定期間ごとに決まった金額を基準に計算しますが、賞与の場合は支給のたびに「標準賞与額(実際の支給額をもとに1,000円未満を切り捨てた額)」を基準に、その都度計算します。

項目月給の計算基準賞与の計算基準
健康保険料・厚生年金保険料標準報酬月額(年1回改定が基本)標準賞与額(支給のたびに計算)
雇用保険料実際の給与額実際の賞与額

健康保険料・子ども・子育て支援金・厚生年金保険料は、標準賞与額に料率をかけ、原則として会社と本人が折半します。上限は制度ごとに異なり、健康保険は年度累計573万円、厚生年金は1か月あたり150万円です。同じ月に賞与が2回以上支給された場合は合算して判定されます(2026年度時点)。40〜64歳の方には介護保険料率1.62%も加わります。

賞与支給額別・手取り額の目安【早見表】

賞与支給額30万円・50万円・80万円のケースで、天引きされる金額の目安をまとめました。計算条件は、東京の協会けんぽ・40歳未満・一般の事業・扶養親族等0人・前月の社会保険料控除後給与30万円です(2026年度時点)。

賞与支給額社会保険料等の目安所得税の目安手取り額の目安
30万円約4.4万円約1.6万円約24.0万円
50万円約7.3万円約2.6万円約40.0万円
80万円約11.8万円約4.2万円約64.1万円

※健康保険料率は加入先・都道府県により異なります。前月給与や扶養親族等の人数によって所得税率も変わるため、実際の金額は前後します。あくまで目安としてご覧ください。

計算例:賞与50万円・前月給与30万円・扶養なしの場合

東京の協会けんぽに加入する40歳未満の方に賞与50万円が支給され、前月の社会保険料控除後給与が30万円、扶養親族等0人だった場合の計算例です(2026年度時点)。

  1. 標準賞与額:50万円(1,000円未満切り捨て、変動なし)
  2. 健康保険料:50万円 × 9.85% ÷ 2(会社と折半)= 24,625円
  3. 子ども・子育て支援金:50万円 × 0.23% ÷ 2(会社と折半)= 575円
  4. 厚生年金保険料:50万円 × 18.3% ÷ 2(会社と折半)= 45,750円
  5. 雇用保険料:50万円 × 0.5%(一般の事業の本人負担分)= 2,500円
  6. 社会保険料等の合計:73,450円
  7. 所得税:(50万円−73,450円)× 6.126% = 約26,130円
  8. 手取りの目安:約400,420円(50万円−73,450円−約26,130円)

📌 あわせて読みたい:給与明細の見方|手取りが決まる仕組みをFPが解説

賞与は月給よりまとまった金額が入る分、使い道を決める前に一度立ち止まりたいタイミングでもあります。先に使う分・貯める分を分けておくと、賞与後の家計が安定しやすくなります。

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賞与の所得税が「月によって」変わる理由

賞与の所得税率は、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」をもとに、前月の給与額(社会保険料控除後)と扶養親族等の人数から決まります。

  • 前月の給与が高いほど、賞与にかかる所得税率も上がる仕組みです
  • 扶養親族が多いほど、同じ賞与額でも税率は低くなります
  • そのため、同じ賞与50万円でも、人によって手取り額が数万円変わることがあります

📌 あわせて読みたい:社会保険料はいつから給与天引き?新社会人・入社日別の開始時期と金額の目安をFPが解説

FP視点の実務上の注意点:手取りベースで予定を立てる

FP2級の運営者として特にお伝えしたいのが、賞与は「額面」ではなく「手取りベース」で使い道を考えるという点です。

  • 賞与から引かれる金額は、加入先の保険料率・年齢・前月給与・扶養状況などで変わります。額面の一定割合と決めつけず、勤務先の明細で確認してください
  • 賞与を大きな支出(旅行・家電購入・繰上返済など)に充てる予定がある場合は、額面ではなく手取り額をもとに予算を組むことをおすすめします
  • 賞与の月は住民税・社会保険料の天引きタイミングと重なることもあるため、賞与月の給与明細もあわせて確認しておくと、その月の手取りの全体像がつかみやすくなります

注意点

  • この記事の金額は2026年度時点の目安です。保険料率・税率は見直される可能性があります
  • 社会保険料率は都道府県・加入している健康保険組合によって異なります
  • 所得税額は前月給与・扶養状況により変動します
  • 正確な金額は、給与明細や勤務先の給与担当にご確認ください

よくある質問

Q1. 賞与から住民税は引かれますか?

引かれません。住民税は年間の税額を12回に分けて月給から天引きする仕組みのため、賞与は対象外です。

Q2. 賞与の社会保険料率は月給と同じですか?

健康保険・厚生年金などは月給と同じ料率を使いますが、計算の基礎は月給の標準報酬月額ではなく、賞与の標準賞与額です。上限は健康保険が年度累計573万円、厚生年金が1か月150万円です(2026年度時点)。

Q3. 扶養家族がいると賞与の手取りは増えますか?

所得税率が下がる分、同じ賞与額でも扶養家族がいる方が手取りは多くなる傾向があります。ただし社会保険料は扶養の有無に関係なく同じ計算方法です。

Q4. 入社1年目でも賞与から社会保険料は引かれますか?

賞与の支給日に健康保険・厚生年金の被保険者であれば、原則として1年目の賞与も保険料の対象です。ただし、資格取得日や資格喪失日、賞与の支給日によって扱いが異なる場合があるため、勤務先の給与担当にご確認ください。

Q5. 賞与にかかる税金・社会保険料を減らす方法はありますか?

制度上、個人の意思で直接減らす方法は基本的にありません。ただし、iDeCoなど所得控除につながる制度を活用すると、年間の課税所得が下がり、結果的に賞与を含めた税負担が下がる場合があります。詳しくは税理士など専門家にご確認ください。

まとめ

  • 賞与からは社会保険料と所得税が引かれる(住民税は引かれない)
  • 社会保険料は「標準賞与額」、所得税は「前月給与額×扶養人数」を基準に計算
  • 賞与50万円なら手取りの目安は約40万円前後(2026年度時点・条件により変動)
  • 賞与の使い道は、額面ではなく手取りベースで予定を立てるのが安心

賞与は月給と計算のしくみが異なるため、明細を見て戸惑う方も少なくありません。「何が」「どういう基準で」引かれているかを知っておくと、賞与後の家計の見通しも立てやすくなります。

賞与の使い道を考えるタイミングで、家計全体の収支も一度見直しておくと、次の賞与までのお金の流れが整理しやすくなります。

📌 あわせて読みたい:家計管理は何から始める?FPが収支の整理方法を解説

参考情報・専門機関への確認案内

制度の内容は2026年度時点のものです。最終的な判断の際は、勤務先や公的機関にご確認ください。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の相談に代わるものではありません。実際の金額や手続きは、条件によって異なります。

参考情報
参考情報:
本記事は、金融・保険・税金・不動産・資産運用・家計管理に関する一般的な情報として、金融庁、国税庁、厚生労働省、消費者庁、国土交通省、各自治体・公的機関、各金融機関・公式サイトの情報を参考に作成しています。
制度改正、税制改正、商品内容、金利、手数料、条件などは変更される場合があります。最終的な判断は、必ず公式情報を確認し、必要に応じて税理士、弁護士、ファイナンシャルプランナー、金融機関、不動産会社などの専門家へご相談ください。
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