「老後のお金、なんとなく不安だけど具体的にいくら必要かわからない」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
FP2級の運営者として、はっきりお伝えします。老後の生活費は「なんとなく」では準備できません。月々の支出を把握して、不足分を逆算することが老後のお金の基本です。
この記事では、老後にかかる生活費の目安・支出管理のポイント・不足分の補い方を、具体的な数字をもとに解説します。
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※統計・制度に関する記載は2026年8月23日時点で確認しています。掲載額は平均値であり、実際の金額は世帯状況などによって異なります。
老後のお金で後悔する人に共通すること
| 状況 | 結果 |
|---|---|
| 老後の生活費を具体的に試算していなかった | 貯蓄が底をつくタイミングが読めない |
| 年金だけで生活できると思っていた | 毎月の赤字が積み重なる |
| 医療費・介護費を想定していなかった | 想定外の大きな出費に対応できない |
| 固定費を見直さないまま老後に入った | 現役時代と同じ支出が続く |
| 退職金を使い切ってしまった | 70代以降の資金が不足する |
老後のお金の問題は「気づいたときには手遅れ」になりやすいのが特徴です。早めに把握しておくことが最大の対策です。
老後の生活費の目安
総務省「家計調査報告」の2025年平均による、65歳以上の夫婦のみの無職世帯と65歳以上の単身無職世帯の1か月の家計収支です。
【65歳以上の無職世帯の1か月平均】
| 項目 | 夫婦のみの無職世帯 | 単身無職世帯 |
|---|---|---|
| 実収入 | 25万4,395円 | 13万1,456円 |
| 可処分所得 | 22万1,544円 | 11万8,465円 |
| 消費支出 | 26万3,979円 | 14万8,445円 |
| 平均不足額(可処分所得-消費支出) | -4万2,434円 | -2万9,980円 |
FP視点のポイント:この数字は調査対象世帯の平均です。持ち家か賃貸か、健康状態、趣味、家族構成などによって実際の生活費は大きく変わります。まず自分の現在の支出を書き出し、老後も続く固定費と削減できる変動費を整理することが出発点です。
年金収入との差額(毎月の不足額)を試算する
老後の生活費から、自分が受け取れる年金などの手取り収入を引いて「毎月の不足額」を確認します。年金額は加入期間や現役時代の収入などで異なるため、「夫婦なら一律○万円」とは限りません。
【2025年の夫婦高齢者無職世帯の平均】
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 可処分所得 | 22万1,544円 |
| 消費支出 | 26万3,979円 |
| 平均不足額(可処分所得-消費支出) | -4万2,434円 |
この平均不足額は、可処分所得から消費支出を差し引いた調査対象世帯の平均であり、すべての世帯に当てはまるものではありません。自分の不足額は、次の式で試算します。
毎月の不足額 = 自分の老後生活費 − 年金などの手取り収入
自分の年金見込み額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認してください。
公式情報:日本年金機構「ねんきんネットによる年金見込額試算」
【試算に含めて別途備えたい主な支出】
| 支出 | 考え方 |
|---|---|
| 入院・手術などの医療費 | 健康状態や公的保障によって異なる |
| 介護費用 | 期間・介護場所・要介護度によって異なる |
| 住宅のリフォーム・修繕費 | 住宅の状態によって異なる |
| 子・孫への援助 | 家庭ごとに異なる |
| 冠婚葬祭などの突発的な出費 | 予備費として分けて考える |
仮に月3万円の不足が30年間続く場合、単純計算では累計1,080万円になります。まずは自分の生活費と年金見込み額で計算してください。
👉 年金と老後資金の詳しい考え方はこちら:年金と老後資金の考え方|FPが確認ポイントを解説
老後の支出管理|現役時代と何が変わるか
老後の支出は現役時代と構造が変わります。
【現役時代と老後の支出の違い】
| 支出項目 | 現役時代 | 老後 |
|---|---|---|
| 住居費 | 家賃 or ローン返済 | 持ち家なら大幅減・賃貸は継続 |
| 教育費 | 子どもの学費・習い事 | ほぼゼロ |
| 医療費 | 比較的少ない | 増加しやすい |
| 介護費 | なし | 発生リスクあり |
| 食費・光熱費 | 家族分 | 夫婦または単身分 |
| 交際費・趣味 | 仕事関連も含む | 自由度が上がり増えやすい |
老後に減る支出:住宅ローン(完済後)・教育費・仕事関連費用 老後に増える支出:医療費・介護費・趣味・旅行
老後の固定費見直し|今からできること
老後の生活費を抑えるために、現役のうちから見直しておくべき固定費があります。
【老後を見据えた固定費の見直しポイント】
| 項目 | 見直しのポイント |
|---|---|
| 生命保険 | 子どもの独立後など、必要保障額が変わる時期に見直す |
| 医療保険 | 保険料と公的保障の重複を確認する |
| 通信費 | 利用状況に合った料金プランや通信会社を比較する |
| 自動車 | 手放す時期と、代替する交通費を比較する |
| 住居費 | 持ち家は固定資産税・修繕費、賃貸は継続する家賃を見込む |
FP視点のポイント:生命保険は「いつまで、いくら必要か」を考えることが重要です。子どもの独立や住宅ローンの完済後は必要保障額が変わる場合がありますが、削減できる保険料は契約内容や家族状況によって異なります。
👉 生命保険の見直し方法はこちら:生命保険の見直し方|払いすぎを防ぐための確認ポイント
老後資金の不足を補う方法
不足額が明らかになったら、補う手段を整理します。
【老後資金の不足を補う主な方法】
| 方法 | 特徴 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| iDeCo(個人型確定拠出年金) | 掛金が所得控除の対象・原則60歳まで引き出せない | 加入条件・手数料・受取時の課税を確認する |
| 新NISA(つみたて投資枠) | 運用益が非課税・売却可能 | 元本保証はなく、売却時の価格によって損失が生じる場合がある |
| 定期預金・貯蓄 | 預金保険制度の範囲内で保護される | 金利と物価上昇の影響を確認する |
| 不動産収入 | 家賃収入を得られる場合がある | 空室・修繕費・税金などを差し引いて考える |
| 退職後の就労 | 就労収入を得て資産の取り崩しを抑える | 働き方・健康状態・年金への影響を確認する |
| 年金の繰下げ受給 | 受給開始を遅らせると年金額が増える | 受給開始までの生活費や税・社会保険料への影響を確認する |
「退職金を受け取ったらまず運用」は慎重に。退職後は収入が減るため、リスクの高い運用は向きません。運用に回す前に、当面の生活費や近く使う予定の資金を確保しましょう。必要額は、毎月の支出・年金以外の収入・家族状況によって異なります。
👉 iDeCoとNISAの使い分けはこちら:iDeCoとNISAの使い分け|FPが確認ポイントと注意点を解説
介護費用の備え|見落としがちな老後最大のリスク
老後の支出管理で最も見落とされやすいのが介護費用です。以下は生命保険文化センターの2024年度調査による平均値です。
【介護にかかる費用・期間の平均】
| 項目 | 平均 |
|---|---|
| 介護期間 | 4年7か月 |
| 月々の介護費用(全体) | 9万0,000円 |
| 月々の介護費用(在宅) | 5万3,000円 |
| 月々の介護費用(施設) | 13万8,000円 |
| 一時的な費用 | 47万2,000円 |
出典:生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
公的介護保険で全額カバーできるわけではありません。介護サービス費の自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある場合は2割または3割です。施設では居住費・食費・日常生活費なども必要になります。詳細は厚生労働省「サービスにかかる利用料」をご確認ください。
👉 医療保険の見直し方法はこちら:医療保険は必要?FPが必要性を考えるポイントを解説
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まとめ:老後の生活費・支出管理チェックリスト
- 2025年平均の消費支出(夫婦のみの無職世帯約26万4,000円・単身無職世帯約14万8,000円)を確認した
- 自分の年金受給額の目安をねんきんネットで確認した
- 毎月の不足額を試算した
- 医療費・介護費・住宅修繕費など試算外の支出を把握した
- 現役のうちに生命保険・通信費など固定費を見直した
- iDeCo・新NISAなど老後資金の準備方法を検討した
- 介護費用への備えを検討した
- FP等の専門家に老後の資金計画を相談することを検討した
👉 確定申告・節税と合わせて老後資金を増やす方法はこちら:確定申告が必要なケース|FPが確認ポイントを解説
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この記事を書いた人:FP2級の運営者 交通事故の被害者として通院中。保険・家計の実体験をもとに「損しないお金の知識」を発信しています。 ※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスを推奨するものではありません。個別の資産運用・保険選びについては、FP等の専門家にご相談ください。


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